トレードコラム グランビルの法則とダウ理論を用いたトレードについて 2020.4.2 EURUSD

<注意事項>
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今回のコラムでは、長期(4時間足規模)の移動平均線の方向(下方向)に順行する形で、短期(15分足)の上昇波の終了を判断して売りエントリーをするトレードについて解説します。

トレードにおけるグランビルの法則とダウ理論の活用方法について

グランビルの法則を実践で扱う

グランビルの法則の詳しい解説は、別ページ(⇒グランビルの法則とは)で解説しているため、興味のある人は是非ご覧下さい。

グランビルの法則とは、エントリーポイントを移動平均線とレートとのかい離・収束で説明するものです。

上の図はユーロドルの4時間足チャートです。4時間足20期間の単純移動平均線(SMA)が下に傾いている状況で、移動平均線からのかい離を狙ったトレードを組み立てます。今回のような4時間足20期間SMAからのかい離を狙うトレードの場合は、1時間足でも20期間SMAのかい離を狙うのが有効だと考えます。よく、多くの教材において「大きな時間足で方向を決定し、短期足でエントリーのタイミングを計る」という記述を目にします。これを具体的に言うならば、今回のトレードは「4時間足20期間のSMAの傾きに巡行する方向へ、1時間足20期間SMAのかい離を狙ってエントリーを行う」という言い方になります。大枠の方向性をトレンド方向に揃えている点、そして4時間足及び15分足で20期間SMAのかい離を狙うという点で、グランビルの法則を活用しています。そして、1時間足20期間SMAとレートとのかい離を狙うトレードをする場合、トレード足は15分足規模が適しています。

では、下位足である15分足を見てみましょう。

青いライン:15分足320期間SMA(4時間足20期間SMAと同等)

緑のライン:15分足80期間SMA(1時間足20期間SMAと同等)

15分足で見る青いラインは4時間足20期間SMA、緑のラインは1時間足20期間SMAと同じものとなっています。ここでは、「4時間足20期間SMAのかい離が狙える環境下で、1時間足20期間SMAとレートとのかい離を、かい離が起こる前の段階で判断することが求められます。なぜなら、大型時間足のSMAに順行する形でトレードをする場合、短期足のSMAが同じ方向に傾いた状況ではタイミングが遅く、期待できる収益が減少するためです。

・長期の移動平均線が下向きであり、短期の移動平均線も下向きである→売りエントリーのタイミングとしては遅い

・長期の移動平均線が下向きであり、短期の移動平均線は下向きになりつつある→売りエントリーのタイミングとしては良好

では、1時間足20期間SMA(15分足では80期間SMA)の下トレンドの発生は、どのような根拠により判断するのでしょうか。そこで必要なのが「ダウ理論」の理解です。

 

ダウ理論を実践で扱う

4時間足20期間SMAが下方向に傾いている環境で、15分足規模の転換(下降トレンドのスタート)をどう捉えるのかについて解説します。

ダウ理論の詳しい解説は、別ページ(⇒ダウ理論とは)で解説しているため、興味のある人は是非ご覧下さい。

ここではダウ理論の「トレンドは明確な反転シグナルが発生するまで継続する。」を実践的に解説します。

この「トレンドは明確な反転シグナルが発生するまで継続する。」というのは、言い換えると「トレンドは明確なシグナルが発生すると反転する」と解釈できます。今回のトレードは、15分足規模の上昇トレンドの終わりを判断して売りエントリーをするもののため、「上昇トレンドの終了」を判断できるかが重要となります。

上の図の黒枠内はレートがおおよそ横ばいになっており、大き目の戻りを形成している状態です。この規模のレンジが生じたからこそ、15分足80期間SMAからの収束が見られたとも言えます。では、このレンジエリアを拡大してみます。

15分足で値動きを見てみると、Bで高値を更新した後、Cで安値を切り上げる動きをしています。もしこの後のDで高値を上に更新できれば、中規模クラスの上昇トレンドが形成され、80期間SMAは明確に上方向へ傾くと考えます。しかしそのようにはならず、Eで安値を下に更新しました。このEを形成した時点で「上昇トレンドの終了(破たん)」と判断することができ、売りエントリーのタイミングとなります。先述したダウ理論の「トレンドは明確な反転シグナルが発生するまで継続する。」を「トレンドは明確なシグナルが発生すると反転する」と解釈すると、イメージが付きやすいと考えます。また、具体的なエントリーポイントの例を挙げると、高値の切り上げに失敗した起点となるZのラインへの「戻り」をまってからエントリーをするトレーダーが多い傾向にあります。

 

R倍数について

R倍数とは、リスク(損失)とリワード(期待値)の比率です。R倍数が大きいほど、損小利大のトレードとなり、反対に小さい場合は損大利小のトレードとなります。今回のトレードは大型(4時間足規模)の移動平均線の方向(下方向)に順行する形で、短期(15分足)の上昇波の終了を判断して売りエントリーをするトレードですが、このトレードのメリットに「R倍数の高さ」が挙げられます。

このトレードにおけるエントリーのリスクは、「15分足の下降トレンドへの転換が発生しなかった場合」となり、リワードは「4時間足クラスの大型の下降トレンドが発生すること」となります。リスクは15分足規模の小さな範囲に抑えられ、リワードは大型の下降トレンド1本分を見込めます。

まとめ

ここでは大型(4時間足規模)の移動平均線の方向(下方向)に順行する形で、短期(15分足)の上昇波の終了を判断して売りエントリーをするトレードを紹介しました。今回はグランビルの法則とダウ理論を用いて解説しましたが、やっていることは「長期的な時間足の高値切り下げを、短期的な時間足の上昇波の反転で狙う」というトレードです。このタイプのエントリーは、損傷利大のトレードを組み立てやすいのが特徴です。

皆様も是非、売りエントリーする際は「大型の時間足で高値の切り下げが見込める場所なのか」、買いエントリーする場合は「大型の時間足で安値の切り上げが見込める場所なのか」を観察してみましょう。