FXにおける最大の特徴はレバレッジで運用資金を拡大できることであり、他の金融商品や副業よりも圧倒的な収益を見込める要因となっています。ここではレバレッジの概要と計算方法、そしてリスクについて解説します。
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レバレッジとは
レバレッジとは、預けた資金の何倍でトレードするかを示す「倍率」のことです。
FXは証拠金にレバレッジを掛けて運用金額を大きくできる点が最大の特徴であり、これが他の金融商品よりも効率よく資産の増加が見込める要因となっています。
「レバレッジ」が示すものは「最大レバレッジ」と「実行レバレッジ」の2つがあります。
最大レバレッジとは、「預けた資金の最大何倍まで取引きが可能か」を示します。最大レバレッジは日本の金融規制下にある証券会社の場合で最大25倍で、日本国外の金融ライセンスを保有する証券会社の場合は25倍を超えたレバレッジを提供しています。
実効レバレッジとは、トレード時(ポジション保有時)において「預けた資金の何倍で取引きをしているか」(保有ポジション評価額に対する、有効証拠金の割合)を示しており、保有ポジションのレートで変化します。
※実行レバレッジの計算方法を含めた実践的な説明は下記「4.実行レバレッジの計算方法」で行います。
レバレッジの倍率と運用資金の変化について
まずは、レバレッジの倍率によって運用金額がどのように変化するかを説明します。
下記の図は、証拠金(口座に預けたお金)が100万円だった場合のレバレッジの倍率とポジションサイズ(アメリカドルの購入量)を表したものです。
1ドル100円の時点において10万ドルの投資を行うためには、当然ながら1000万円の資金が必要になります(1ドル100円×10万ドル=1000万円)。
しかしこれに対してFXであれば、レバレッジを効かせて100万円の証拠金で10万ドルのポジション(1,000万円相当額)を建てることができます。この場合、1000万円相当額÷証拠金100万円(C÷A)=10.0倍のレバレッジを効かせていることになります。
レバレッジという機能がない場合、証拠金100万円という資金量で1万ドルを購入して100PIPSを獲得した場合は1万円の収益となります。しかしレバレッジを10倍として10万ドルを保有した上で100PIPSを獲得した場合、収益は10万円となります。
本来10万ドルを運用するトレードには、日本円で約1,000万円が必要となります。しかしレバレッジを効かせることで最低金額40万円(1ドル/100円,レバレッジ25倍計算)でトレードできる点が、レバレッジの効果であり、FXの魅力であると言えます。
※10万ドルを運用する場合の最低金額40万円(1ドル/100円,レバレッジ25倍計算)とした計算方法は、有効証拠金=保有ポジション評価額(10万ドル×1ドル/100円)÷レバレッジ(25倍)で算出しています。計算方法の詳細は後述「実行レバレッジの計算方法について」で解説します。
実効レバレッジ
実行レバレッジの計算方法について
実効レバレッジとは、「保有ポジション評価額に対する、有効証拠金の割合」を表しています。実行レバレッジは口座資金、ポジション保有数、その時の評価損益額で決定します。
実効レバレッジの計算式
実効レバレッジ=保有ポジション評価額(ポジション保有数×現在レート)÷有効証拠金(預入資金+評価損益)
実際に例を挙げて計算してみましょう。
※実行レバレッジは現在レートで評価するため(上記の例の場合では現在レート101円)、レートが変動すれば実行レバレッジも変化します。
実効レバレッジの設定方法について
当サイトを含めた多くのサイトや教材において、実行レバレッジの説明で「実行レバレッジを10倍に設定すると、、」という表記をしています。しかし厳密に言えば、トレーダーが実行レバレッジをチャートの画面上で調節することはありません。あくまでもトレーダー自身のもつ証拠金と、ポジションを保有した時のポジション評価額の比率から算出されるものです。そのためもしかしたら「思いのほかハイレバレッジになってしまった」というトラブルが発生する危険性があります。その対策として、トレーダーには適切なポジション数量と計画的な損切り能力が求められると考えます。
レバレッジのリスクとは
次に、レバレッジのリスクについて説明します。
レバレッジのリスクは、倍率が高いと利益と損失が共に大きくなることです。
上の表は、レバレッジごとに同じ証拠金(100万円)で同じ損失(10pips)が発生した場合の損失額を表したものです。レバレッジ5倍の場合、10pipsの損失は5万ドル×0.1円=-5,000円です。同様にレバレッジ25倍の場合では-25,000円となります。このように、レバレッジの倍率が高くなるほど損失が大きくなることがわかります。ただし、これは-10pipsの損失が生じた場合です。この例とは反対に10pipsの利益を出していた場合は、レバレッジ5倍の場合+5,000円、25倍の場合+25,000円を得ることができます。
このようにレバレッジのリスクとは、「見込む利益と同等分、損失が生じる可能性がある」ということです。レバレッジは利益と損失の両方を増幅させます。効率的に収益を伸ばす期待ができる反面、それと同等の損失が生じるリスクを念頭に置く必要があります。
レバレッジを利用した場合でも、しなかった場合でも、損失を被るリスクは同じです。そのためFXトレードにおいては自身のトレードスタイルや勝率を踏まえ、最適なレバレッジの倍率を把握することが求められます。